IPAは、ITパスポートの過去の試験問題を公式サイトで公開しています。問題と解答が、誰でもそのまま取れる形で置いてあります。だから最初に買うものはありません。やることは、解いて、間違いを分野ごとに数えて、数の多い分野へ戻るだけです。この3手を回すと、教材を足さなくても弱点の位置が動いていきます。
IPAの公開問題が、そのまま主教材になる
無料で勉強するときに一番困るのは、教材の出どころです。解説が合っているか分からないものを何十問も解くと、覚えた内容を後で疑うことになります。ITパスポートにはこの困りがほとんどありません。出題した団体が、自分で問題と解答を出しているからです。
使う素材は次の2つに分かれます。
- 公式が公開している過去の試験問題と、その解答
- 分からない言葉を引くための無料の解説(IPAの公開資料、各社の公式ドキュメント)
前者で数をこなし、後者で言葉を引きます。役割を混ぜると、1問ごとに検索して1時間で5問しか進まない状態になります。
回し方は3手:解く、数える、戻る
1回分をまとめて解く
1問ずつ答え合わせをすると、当てた問題と分かった問題の区別がつきません。だから1回分を通して解き、答え合わせは最後にまとめてやります。手を動かす場所は分けたほうが楽です。当サイトのITパスポートの練習問題は登録なしで解けるので、公開問題を印刷しない人はこちらで数をこなす形でも進みます。
解いている間に、自信のない問題へ印を付けておきます。印が付いた正解は、後で「たまたま当たった問題」として扱います。
間違いを分野ごとに数える
ITパスポートの出題は、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野に分かれます。答え合わせのとき、間違えた問題をこの3つのどれかに振り分けます。書くのはノートに3行だけです。分野名と、間違えた数。これで十分です。
数える理由は、体感が当たらないからです。テクノロジ系は計算や用語で「難しかった」という感覚が残りやすい分野です。ところが数えてみると、落としているのはストラテジ系の法務や経営の用語だったりします。感覚ではなく数で次の一手を決めます。
薄い分野の言葉だけを拾い直す
数が多かった分野に戻ります。ここで教科書を頭から読み直すと止まります。戻る先は、間違えた問題に出てきた言葉だけです。
具体的には、間違えた問題1問につき、知らなかった言葉を1つか2つ書き出します。その言葉を公式資料や公式ドキュメントで引き、自分の言葉で1行にします。翌日、その言葉が出てくる別の年度の問題を解きます。同じ用語は年度をまたいで何度も出るので、拾い直しはそのまま得点に変わります。
同じやり方はクラウドやAI系の入門資格でも使えます。AZ-900は無料の問題だけで受かるかやG検定を無料で対策する順番でも、公式の無料資料をどう回すかを書いています。
ストラテジ系とマネジメント系が後ろに残る
ITパスポートを無料で進める人の多くが、テクノロジ系から手を付けます。ネットワークやセキュリティの用語は、ネット上に無料の解説が多いからです。読み物としても面白いので手が伸びます。
一方、ストラテジ系とマネジメント系は後ろに残ります。理由は3つあります。
- 企業会計や法務の用語が、仕事で触っていないと実感を持ちにくい
- 無料の解説記事が技術分野にくらべて少ない
- 暗記に見えるので「後でまとめてやる」と置きやすい
対策は、順番を先に決めてしまうことです。1回分を解いたら、次の勉強時間はストラテジ系とマネジメント系の拾い直しから始めます。テクノロジ系の復習は、その後です。順番を固定すると、好きな分野に時間が寄るのを防げます。
管理系の用語は、身近な言い換えを1つ持つと残ります。損益分岐点なら「何個売ったら赤字を抜けるか」です。プロジェクトの工程管理なら「誰が何をいつまでにやるかの表」です。正確な定義は問題の選択肢が教えてくれるので、まずは自分の言い換えを置きます。
無料だけでは埋まらない場所
手続きの情報は、無料の記事から拾わないでください。試験日、申込方法、受験料、出題の形式は変わります。ここは試験を実施している団体の公式ページで確認してください。
CBT方式の画面操作も、問題を解くだけでは慣れません。公式が用意している体験用の環境を一度触っておくと、当日に画面で迷いません。
試験そのものの情報や、直前の仕上げをまとめて読みたい場合は、同じ運営者の姉妹サイト資格道場にあるITパスポートの学習ガイドも使えます。こちらで数をこなし、試験の全体像は道場側で確かめる形が回しやすいです。
公開問題は年度が増えるほど厚くなります。解く、数える、戻るの3手なら、今日から手ぶらで始められます。
関連記事としてITIL 4の用語を無料で固めるもあわせて参照してください。
よくある質問
Q. スマホだけでも勉強できますか
できます。公開問題はPDFで配布されているので、スマホでも開けます。ただし計算問題は、紙とペンを使ったほうが手が慣れます。移動中は用語の拾い直しに使い、机に向かえる時間で1回分を通して解く形が組みやすいです。
Q. 古い年度の問題を解いても意味がありますか
用語や考え方を問う問題は、古い年度でも役に立ちます。一方、新しい技術や制度に関する出題は、年度が新しいものから解いたほうが噛み合います。新しい年度から順に戻っていき、間違いの数が落ち着いてきたら古い年度に手を広げるのが素直です。
Q. 参考書を1冊も買わないと、分野の全体像がつかめません
間違えた問題から言葉を拾う進め方は、全体像が後からできる形です。それが不安なら、公開問題の出題範囲の一覧を先に1枚だけ印刷し、拾い直した言葉をその上に書き込んでください。白いままの場所が、手を付けていない範囲です。
Q. 会社の資格取得支援があるなら、有料の講座を使ったほうが早いですか
費用を会社が出すなら、講座は選択肢に入ります。判断材料は、自分で解く時間が確保できるかどうかです。講座を見る時間で手を動かす時間が減ると進みません。まず公開問題を1回分解き、解ける感触があるなら無料のまま続けるほうが手数が増えます。
Q. ITパスポートの次に無料で狙いやすい資格はどれですか
クラウドやセキュリティの入門資格は、公式が無料の学習資料を出しているものが多いです。Microsoft Learn、AWS Skill Builder、LPI-Japanの公開資料などが該当します。当サイトでも資格ごとに無料で足りる範囲を扱っているので、興味のある分野から見てください。